こんにちは。Georgeです😃
前回に引き続き、通訳についてです📚
<私が接した通訳の実情>
私が実社会で接した通訳者にはさまざまなレベルの人がいました。
プロとして通訳を生業(なりわい)としている人は勿論のこと
ある程度英語ができるからということで
通訳させられている人もたくさん見てきました👀
この中で、私が北海道庁に勤務していた時の実例として
「こんな通訳者と遭遇した」という3つの事例を
ご紹介したいと思います。
いずれも日本語~英語の逐次通訳でした📖
まず、道庁が主催した会議の例です。
その会議は、ホタテ貝や鮭など道産水産物の
輸出拡大を目的に開催したもので
道内の水産会社の人々と
アメリカの水産加工会社や飲食店の人々
つまり企業関係者同士による意見交換会として行いました。
開催地はボストンでした🌎
会議には企業関係者の他に
道庁とマサチューセッツ州政府の水産業担当者などもおり
日米それぞれ10名程度が出席していました。
私自身は道庁国際経済室というところに所属していて
会議の企画から諸準備、当日のメモ取りを担っていました📝
こうした中、それまでの業務を通じて
現地の日本人社会にも伝手があったため
「会議通訳レベル」ということで通訳者を2名依頼しました。
大変残念なことに、派遣されてきた2名の通訳者は
いずれも会議通訳の経験が全くない「ド素人」で
通訳としての業務をなめていたような感じ(水産関係の単語の事前学習もしていなかった)すらあったため
日本語から英語は全体の5割、
英語から日本語に至っては1~2割しか訳出できなかったのです。
会議参加者は不満が募り、我々主催者も猛反省した行事になってしまいました😓
あとで聞いたところでは、
いずれの通訳も
「日本人がボストンを観光に訪れた際に現地を案内するガイドで、その中では優秀な人」
というレベルだったとのことでした。
外国で通訳者を手配する場合には、
前編で触れたような資格を求めることが厳しいので
仮に資格制度を知っていたとしても
適切な通訳者を確保できなかったかもしれないですが、
事前に通訳予定者のレベルを
ビデオ通話などでチェックするなど
確認しておくべきだったと反省が残った行事でした。
二つ目の例は、インドのどこかの州政府の一行が
州内企業とともに道庁を訪問し
企業の技術力のプレゼンテーションをした時のことです。
この時の通訳者は在日インド大使館の若手職員でした👨💼
彼は、逐次通訳としてしっかりした役割を果たしていたのですが
pest controlを「ペストの管理」と訳してしまったのです。
辞書で引いていただくとわかりますが
pest controlとは「害虫防除、害虫駆除」のことで
病気のペスト(plague)とは無関係です📚
私の後ろに座っていた日本側参加者は
この誤訳を聞い「ペストなんて、やっぱりインドだな」とつぶやいていました。
あまりにも誤った認識を与えたものだったので
私のミスではないのですが
とても残念な気持ちになったことを鮮明に覚えています。
もう一つ、これは「プロの通訳」の誤訳の例です。
あるパーティで
アメリカの領事が英語でスピーチをしていました🎤
領事は、自分の経歴を話しつつ
「ここに赴任する前、私はthe Headquarter of the State Departmentで勤務していた」
という発言をしました。
正解は「(米国)国務省の本省(本部)」なのですが
通訳者は「州政府の本部」と和訳していたんです。
stateという単語は一般的には州のことですが
State Department=国務省という単語は
アメリカのニュースに触れていれば
毎日出てくる基本的な単語です。
また、領事のスピーチの文脈からも
(Headquarter(本部)という単語を使っているし)
「州」でないことは明白だったのですが
「State=州」がその通訳者の頭にこびり付いて離れなかったんでしょうね。
パーティ会場での誤訳だったので
大事には至らなかったですが、
例えば会談などで同じ誤訳をしていると
意味が通じなくなり、混乱した可能性もあります。
インド、そして、領事のスピーチは
折角大体の通訳ができていても
たった一つの誤訳が大きな誤解の要因になりえるという端的な例でした。
翻訳であれば、じっくり考えられるし、また、あやふやな単語は辞書を引けばいいのですが
通訳者は基本的には直前の準備も含めて、これまでの知識で対応するしかありません📘
こう考えると、通訳という仕事はとても
大変な仕事だということがお判りいただけると思います。
<通訳としての資質・慣れ>
上記の例と類似の話なのですが
私自身の自戒も込めて、もう一つ例を紹介します。
私は2015~18年にかけて
北海道庁がロシアに設置している
「サハリン事務所」に駐在していました🌍
場所は北海道の真北、ロシアのサハリン州ユジノサハリンスク市
人口20万人ほどの市です。
残念ながら私のロシア語は
「日常会話もあまりできない」レベルでしたので
現地で雇用した複数の通訳員が
業務の補佐をしてくれていました🙌
彼らはいずれも日本への留学経験がある
優秀な若者です。
ただ、通訳員としての経験値は
必ずしも高くはありませんでした。
ある日出席した会議でのことです。
出席者は20名ほどのロシア人に対して日本人が二人だけでした。
一人はロシア語が流ちょうな総領事館職員なのですが、もう一人はロシア語が全くできない私です。
その会議はロシア語で行われるため
事務所の通訳員の一人が同席していました📖
全てをきちんと訳す必要はないのですが
話の要点をウィスパーしてもらわないと
流れが全く理解できないという状況です。
ところが、その通訳員は、会議出席者のレベルを見て
「自分はこの場にふさわしくない」と勝手に判断してしまい
2mほど離れたオブザーバー席に座ってしまったのです。
その通訳員は20代前半で社会的な経験もなく
また、シャイな性格でもあったため
それなりに地位のある人々が参加している会議に
同席したくないという気持ちが強く
オブザーバー席に行ってしまったんですね。
その気持ちは理解できるのですが、腹をくくって私の横に座ってもらうしかありません。
ほぼ無理やりでしたが、ちゃんと横に座らせてウィスパーしてもらいました📢
そして、結果的にはほぼ完璧に必要な要約
(ロシア語→日本語)と
私の発言の通訳(日本語→ロシア語)をしてくれました。
この会議で彼女の自信もついたようでした。
また、通訳者は公式の会議など以外でも通訳を行う場面があります。
例えばサハリン事務所長である私が
相手方代表と並んで歩いていくような場面では
私のすぐ背後にいて、歩きながら行う雑談を
通訳する必要があります🚶♂️
ある時、私とロシア側の一人が並んで歩いていた場面が
あったのですが、ふと気が付くと、
相手方の通訳者が二人の会話を全て通訳していました。
これは、完全に私のミスでした。
事前に「こういう場面があり得るから、その時にはすぐ後ろにつくよう」に
伝えておかなければいけなかったですね。
その公式行事の後、歩きながらの立ち位置をはじめ
面談や会議、食事(立食、着席)の場合について
通訳者としての留意点なども教えたことから
それ以降はしっかりできるようになりました📈
事前の教育がいかに重要か、思い知らされた事例でした。
<尊敬できる通訳>
これまで、私が接してきた言わば
「残念な例」をご紹介してきましたが
最後に「尊敬できる通訳」を紹介したいと思います。
Aさんというプロの英語通訳者です👩💼
Aさんの通訳の特徴はとにかく丁寧であるということです。
しっかりとメモを取り、訳漏れがありません📝
私自身が英語は通訳なしでもだいたいわかるので、
相手方の発言を聴きながらメモを取るのですが
Aさんの通訳を聞いて、
「あっ、確かにそんなことも言っていたな」
と思わされたことが幾度もありました。
また、通訳者としては必須のことなのですが、入念な事前準備を欠かさない人でもありました📚
会議で話題に出そうなことは漏れのないように
幅広に情報収集していた姿勢が印象に残っています。
ただ、こうしたAさんでも
ある程度英語もわかる日本人スピーカーの通訳についた際に
会議後「あの場所は、少し違ったわね」と言われ
落ち込み、反省していた姿も見ています。
いやはや、本当に厳しい職業です。
<終わりに>
今日のジャーナル「後編」では
私が身近に接したさまざまな通訳者の例を紹介してきました。
読んでいて、とてもハードルの高い仕事と思われたことと思います。
ハードルは高いですが
通訳者は互いに違う言語を使う者同士を結ぶ
コミュニケーションのためになくてはならない
とてもやりがいのある職業です。
私自身、人生をやり直せるのであれば
しっかりとした教育を受けて、チャレンジしてみたいと思います😃
英語がとても好きだ、という人は
「通訳」という高い目標を持っておくこともいいかもしれません。
このジャーナルを読んで、少しでも興味を持てた方は
一層頑張って英語を勉強してくださいね🔥
A journey of a thousand miles begins with a single step。
何よりも基礎が大事です。
まずはしっかりした英語力の基礎を
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