◯正しい前置詞を選ぶ方法(初心者向け)
英文を書くとき、皆さんを悩ませる要因の 1 つが恐らく前置詞だと思います。
皆さんは、これまでどのように前置詞を選んできましたか?
to は「方向や到達点」、on は「接触」などのように
前置詞の意味やイメージを掴むように学校などでは言われてきたのではないでしょうか。
前置詞の用法や意味を理解することはもちろんとても重要です。
ただ、自分の中ではきちんと意味を理解して正しく前置詞を使ったつもりでも、
先生に添削してもらうと間違っていたということもありますよね。
私も前置詞を習得できるようになるまでは何度も間違えました。
そもそも、前置詞って曖昧で人によってイメージも使い方も異なるのでは?
と疑問に思ったこともあります(そんなことは無いのですが …)。
前回のジャーナルではコロケーション辞典を使って自然な英語を書く方法をお伝えしましたが、
今回はそれを前置詞に応用してみたいと思います。
百聞は一見に如かずなので、
今日は理論よりも実践に重きを置いていくつか問題を解いてみましょう。
1 回目は自分で答えを考えて括弧を埋め、
2 回目は英和辞典で各問題の動詞を調べて辞典の中から答えを探してみてください。
そして最後に解答を読んでください。
コロケーション辞典ではなく英和辞典を使う理由は解答で説明します。
それでは問題を解いてみましょう。
問題 1. 彼は試合に参加するだろう。
He would participate ( ) the game.
問題 2. 彼女は多くの困難に取り組まなくてはならなかった。
She had to cope ( ) a lot of difficulties.
問題 3. 彼は彼女に話しかけたが、彼女は彼のいう事に耳を貸さなかった。
He spoke ( ) her, but she did not listen ( ) what he said.
問題 4. 誰もが彼の冗談を聞いて大笑いした。
Everybody laughed ( ) ( ) his joke. (最初の括弧には副詞、2 番目の括弧には前置詞が入ります。)
解答 1. He would participate ( in ) the game.
動詞 participate を英和辞典で引くと、「participate in=~に参加する」と書いてあると思います。
inは「空間の中に入っている」という意味があります。その試合という空間の中に入ってプレーするイメージです。
○ in のイメージ図
英語の問題や試験によく出てくる動詞なので、これを機に覚えましょう。
解答 2. She had to cope ( with ) a lot of difficulties.
動詞 cope を英和辞典で引くと、「cope with=~をうまく処理する」と書いてあると思います。
withは「~を伴って、一緒に」という意味があります。たくさんの問題が体に絡まり一緒になって固められていて、
それら1つ1つに対処していくと、その問題から解き放たれていくイメージです。
○ with のイメージ図
これも英語の問題や試験によく出てくる動詞なので覚えましょう。
ちなみに deal with という似た表現もあります。
どちらも英和辞典では「対応する、対処する」という意味が書かれていますが、英英辞典で deal with は「to take the necessary action(必要な行動をとること)」と定義されているのに対し、cope with の意味は「to deal with a difficult problem or situation(難しい問題や状況に対処する)」となっており、deal with よりも困難な場合に使われる印象です。
以前もお話しましたが、 このようなニュアンスの違いを調べるときは英英辞典を活用してみましょう。
解答 3. He spoke ( to ) her, but she did not listen ( to ) what he said.
動詞 speak と listen を順番に調べていきましょう。
コロケーション辞典よりも英和辞典が威力を発揮するのは問題 3 のようなケースです。
動詞 speak を英和辞典で引くと、「speak to/with=~と話す」とありますが、「to が一般的だが、with の場合には談合・意見の交換が暗示される」という説明も付いています。
このように前置詞の選択肢が複数ある場合でも、英和辞典だと意味の違いを正確に知ることができます。
to は「到達点」という意味があります。”話す” という行為が一方的に到達して伝えたいことを伝えるイメージから「~と話す、~に話しかける」
という意味になります。
○ to のイメージ図
withは「一緒に」という意味がありますから、 “互いに”話すというイメージから「意見交換する」という意味になります。
次に動詞 listen を引いてみると、「listen to=~を聞く、~に耳を貸す」、「listen for=聞き耳を立てる」と明確に違いが書かれています。
問題 3 の場合、speak も listen も to の方が文脈に合っているので答えはどちらも to になります。
listen は「耳を傾ける」という意味で、彼の言ったことに到達するように耳を傾ける、という解釈から「しっかり聞く」という意味になります。
forは「~に向かって」という意味があり、toは行為などが到達するイメージが強いのに対し、forはそちらに体・気持ちが向いているイメージです
「聞き耳を立てる」というのは話の内容に耳や意識を向けていますが、内容をしっかり聞けるかどうかはわかりません。
そのようなイメージからforを使うと考えましょう。
○ for のイメージ図
解答 4. Everybody laughed ( hysterically ) ( at ) his joke.
動詞 laugh を英和辞典で引くと、「laugh at=を見て笑う」という意味になると書いてあると思います。
日常的にも使う表現なので覚えておきましょう。
atは「ある場所の一点」という意味があります。彼の「冗談」という一点に集中して、みんなが笑っているイメージです。
○ at のイメージ図
また、「大笑いする」の訳で迷った人はいませんか?
動詞 laugh を修飾できる副詞は何だろうと考えたときに、「laugh hysterically」という表現を知らないと思いつきもしませんよね。
hysterically は 激しく・ひどく興奮して、という意味の副詞です。
日本語では「大笑い」と言いますが、英語では「laugh largely」とは言いません。
今回のトピックである前置詞とは少し話が逸れてしまいますが、このように修飾する語で迷ったときはコロケーション辞典を使うことが有効です。
いかがでしたか?
我々が知りたい答えは案外辞書に載っていることが多く、前置詞で迷ったときも同じです。
前置詞の前後にある名詞や動詞を英和辞典やコロケーション辞典で引き、正しい前置詞を選ぶようにしましょう。
問題 4 のような場合においては、正しい前置詞に加えて自然で豊かな表現も見つけ出すことができますね。
前置詞習得への道のりは非常に長く、
皆さんはこれから様々な勉強法や覚え方を実践していくことになると思います。
英和辞典もコロケーション辞典もその手段の 1 つだと思って、
できることから少しずつ始めていきましょう。
Have a lovely day💖
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