突然ですが、皆さんは英語の「water」をどのように発音していますか? 🤔

 

「ウォーター(/ˈwɑːtər/)」のように t をはっきりと発音しますか?

 

それとも「ウォーラー(/ˈwɑːdər/)」と言いますか?

 

アメリカ人ネイティブの発音を聞くと、ほとんどの人が「ウォーラー」と後者のように発音していて、その t の音は日本語のタ行よりもラ行に近く聞こえます 🌟

 

このように、t の音がラリルレロ(発音記号では d)に変化する現象を「フラッピング(flapping)」と言います。

 

動詞「flap」には「はためく、ひらひらする」のような意味があります 🚩

 

実際にフラッピングの例をいくつか見てみましょう。

・ water (水) → /ˈwɑːtər/ が /ˈwɑːdər/ と発音される。

・ better (より良い) → /ˈbetər/ が /ˈbedər/ と発音される。

・ party (パーティ) → /ˈpɑːrti/ が /ˈpɑːrdi/ と発音される。

・ latter (後者) → /ˈlætər/ が /ˈlædər/ と発音される。

・ butter (バター) → /ˈbʌtər/ が /ˈbʌɾər/ と発音される。

・ city (都市) → /ˈsɪti/ が /ˈsɪɾi/ と発音される。

・ writer (作家) → /ˈraɪtər/ が /ˈraɪɾər/ と発音される。

 

また、t の発音の変化には、フラッピングの他に「リダクション(reduction)」というものがあります。

 

名詞「reduction」には、「削減、縮小、低下」などの意味があります。

 

t のリダクションとは、「often」 が「オフテン(/ˈɔːft(ə)n)/」ではなく「オフン(/ˈɔːf(ə)n/)」のように、t が発音されずに消える現象のことで、t の脱落とも言います ✨

 

 

さっそく例をいくつか見てみましょう。

・ often (しばしば) → /ˈɔːft(ə)n)/ が ˈɔːft(ə)n)/ と発音される。

・ button (ボタン) → /ˈbʌtən/ が /ˈbʌɾən/ と発音される。

・ castle (城) → /ˈkæsəl/ が /ˈkæsl/ と発音される。

・ Christmas (クリスマス) → /ˈkrɪs.məs/ が /ˈkrɪsməs/ と発音される。

・ kitten (子猫) → /ˈkɪtən/ が /ˈkɪn/ と発音される。

・ whistle (笛) → /ˈwɪsəl/ が /ˈwɪsl/ と発音される。

・ interview (インタビュー) → /ˈɪntərvjuː/ が /ˈɪnɚrvjuː/ と発音される。

・ important (重要な) → /ɪmˈpɔːrtənt/ が /ɪmˈpɔːrɾənt/ と発音される。

 

このように単語をいくつか並べてみると、t のフラッピングやリダクションは頻繁に起きているように見えますが、実は全ての地域に共通している訳ではありません。

 

例えば、イギリス英語やオーストラリア英語では、/t/の音は/t/のまま発音されることが多いです ✨

 

一方で、アメリカ英語においては、 ニュースなどのメディアでも聞くことができるほど一般的な現象として浸透しています。

 

 

 

試しに「often」を辞書で引いてみましょう 📖

 

辞書によっては、「/ˈɔːf(ə)n⦅米国英語⦆、ˈɔːft(ə)n⦅英国英語⦆/」 などと発音の違いを記載しています。

 

米国英語の発音記号には t が書かれていないのに対して、 英国英語の発音記号には t が書かれていますね。

 

ただし、アメリカ英語では必ず/t/の発音は変化し、イギリス英語では全く/t/の発音は変化しないという訳でもありません。

 

言語は絶えず変化するものであり、地域、時代、話者によってかなりばらつきが出ます。

 

先ほどの「often」を別の辞書で引いたところ、

「⦅米国英語⦆、⦅英国英語⦆ともに/t/を 入れない発音の方が多く用いられているが、/t/を入れて発音する人も増えており、教養のある人々の間ではすでに一般的になっている。ただし、⦅米国英語⦆では今でも/t/を入れる発音を非標準とする人がいる。」

と書いてありました。

 

この説明を読むだけでもとても複雑ですね… 💦

 

実際、t のリダクションは日常会話やフォーマルでない場での方がよく見られますが、フォーマルな場や演説などであえて/t/と発音するかどうかは人による印象です。

 

つまり、音の変化は全ての英語ネイテ ィブに共通する訳ではなく、個人によって差が出るため、柔軟に勉強していくことが大切です 

 

ルールに一貫性の無いフラッピングとリダクションですが、音の変化の知識を持っているのと持っていないのとではリスニングの能力に差が出ます。

 

自分が知っている単語や読めば分かる単語でも、音が変わってリスニングのときに聞き取れなくなってしまってはもったいないですよね 🆘

 

それでは、発音の違いを把握し、聞き取れる単語を増やすにはどのような練習をしたら良いのでしょうか?

 

 

1. リスニングの練習

 

まずはアメリカ英語の会話や音声を聞く習慣をつけ、耳を慣れさせていきましょう 👂

 

映画、テレビ番組、別のジャーナル(おすすめの YouTube リスニング教材)で紹介した YouTube の動画などが役立ちます 💻

 

また、アメリカ英語に限らず、イギリス英語を聞いてみて比較するのも良いと思います。

 

アクセントや発音の違いに慣れるために、たくさんの音声ソースを活用しましょう。

 

 

2. 発音の練習

 

実際にアメリカ英語の発音を模倣することで、口も慣れさせ、耳と口の協調を促進していきましょう 👄

 

ジャーナル冒頭部でフラッピングとリダクションの例として挙げた単語は頻出します。

 

まずこれらを練習し、他にもリスニング練習で自分が見つけた単語を繰り返し発音してみましょう。

 

音の変化に慣れることができます 🆗

 

 

 

3. 会話の練習

 

ネイティブの先生と会話して練習するのが理想的ですが、難しい場合は日本人の先生や友達との会話を通じて、実際にコミュニケーションを行ってみましょう 👨‍👨‍👧‍👧

 

会話を通して 1 のリスニング練習と 2 の発音練習を同時に行えるため、効率よく耳と口を鍛えることができます。

 

t のフラッピングとリダクションには一貫性がなく複雑ですが、実際の会話に違和感なく馴染むためには、知識として習得し、自分でもある程度発音できることが重要です。

 

 

リスニングと発音練習を継続的に行い、時代ごとの特徴や傾向を掴んでいきましょう 😃

 

 

 

 

Have a lovely day💖

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