アメリカの小学校に通っていた頃、日本と異なる文化や価値観に驚いたことは数多くありましたが (ジャーナル「アメリカと日本の小学校の違い」を読み返してみてください)、今日はそのうちの1つを紹介したいと思います。
アメリカ人と日本人とでは、気質や国民性が大きく異なるのですが、教育の方法にも大きな差があります ✏️
まず日本の叱る教育について考えてみましょう。
学校生活には服装、登下校方法、姿勢、態度などに関する厳格な規則が設けられており(最近ではブラック校則という言葉もある程ですね)、教師は生徒の失敗や問題行動を叱責します⚡
これは子供たちの自己管理能力の向上、集団意識や 結束力の向上、礼儀やマナーの習得などを目的としています。
ただ一方で、規律や指導が厳しいあまり、抑圧的な環境下で創造性、自主性、自己肯定感、学習へのモチベーションが低下するというデメリットもあります ⤵️
皆さんも先生や両親に注意されると、「自分ってそんなにだめなのかな…」、「今やろうと思ってたのに…」、「目立つと怒られるから余計なことはしないでおこう…」などと 思ったことはありませんか? 😭
私もそのような経験をたくさんしてきました。
一方でアメリカでは主に褒める教育が実践されています。
まず、日本の学校にあるような校則や生活指導のような勉強以外における明確な規則はあまりありません。
教師たちは、肯定的なフィードバックを送ることで生徒に成功を体験させ、自己肯定感や学習意欲を促進します ✨
故に、アメリカ人の子供たちには失敗や抑圧のプレッシャーを気にすることなく積極的に学んだり、新しいことに挑戦したり、人と関わったりするのが得意な印象です。
デメリットとしては、叱責を受けないため失敗や反省を次回に活かせないこと、また生徒によっては手を抜いてしまい努力の質が低下することなどが挙げられます。
前置きが長くなりましたが、心理学的には叱る教育と褒める教育のどちらが伸びると思いますか?
これまで、日本では叱る教育だとされてきましたが、昨今ではそれが見直されており、褒めて個々の力を伸ばすことにも注力すべきだという意見も挙がっています。
そして、子供たちの能力が伸びやすいのは褒める教育だと心理学の研究では発表されています 🙌
科学雑誌 Newton(ニュー トン)別冊「心理学 実践編」に書いてあったので実験の一部を紹介したいと思います 📖
9~11 歳の子供たちを80人集め、算数の試験を実施しました。
そして、試験を返却する際に、子供たちを3つのグループに分けました。
グループAは褒め、グループBは叱り、グループCには何も言わないことを5回の試験の返却時に繰り返しました。
1 回目の試験では、3グループの成績はほぼ変わりませんでしたが、2回目の試験では、グループAとグループBの成績がおなじ程度伸びました。
しかし、その後グループAの成績が順調に伸びていったのに対し、グループBの成績は伸び悩んでしましました。
また、グループCは全体としてあまり成績が伸びませんでした。
この実験結果を見てみると、グループBの成績に見られたように叱ることには瞬間的には効果があるものの、グループAの伸び続けた成績と比較すると、褒めることの効果の方が長続きすることが分かります。
日本の教育では、もっと称賛を取り入れてその中で規律やルールを教えていく方が良いのかもしれません 🌟
本来ならば保護者や教育者が教育方針を変えていくべきなのですが、 それぞれの家庭環境や学校の雰囲気、日本の教育システムをすぐに変えることは難しいため、まず子供・生徒の立場にいる皆さんができることとして 2 つのアドバイスを送りたいと思います。
1. 積極的に何かに取り組む姿勢をアピールする
積極的に授業に参加する、部活に打ち込む、勉強や部活以外の好きな目標を立てて活動するなど、何かに真剣に取り組む姿を先生に見せましょう 🔥
継続して努力する姿を見せることで、先生も気が付きやすくなり、褒めてもらえるチャンスが増えると思います。
また、時には友達やクラスメイトと協力してアピールすることも有効かもしれません。
2. 学校や Labo.の先生を信頼して質問・相談する
授業や自主学習中に分からなかったところは、授業以外の学校の時間や Labo.で先生に質問するなどして、先生とのコミュニケーションを大切にしましょう。
教育者は、主体的に学ぼうとする生徒の質問はいつでも大歓迎です 👌
先生を信頼して自分の相談事を伝え、解決策を見出し、褒めてもらうという良いサイクルを作っていきましょう。
相談した内容やその結果を保護者の方と共有することももちろん大切です 👨👨👧👧
このように、生徒の皆さんができることとしては「褒められる教育」を目指すことなのかと思います。
「自分はできる人間なんだ」という意識を持ち、モチベーションや継続力につなげていきましょう。
学習の質も高く保てるようになると思います。
また、皆さんが教育者や誰かの保護者の立場になったときは、このジャーナルの内容を是非思い出して、子供たちの力を伸ばしていってあげてください。
未来のことは分からないため、そのときには再び叱る教育が注目されていることもあるかもしれません。
ただ、どのようなときも双方の良い所を取り入れ、子供たちの自己管理能力、規律性、自己肯定感、モチベーションなどをバランスよく育んでいけると良いと思います。
Have a lovely day💖
✨瀬戸・志段味の英語と英語でプログラミング教室MIRAI Labo.(ミライラボ)✨
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