<RED> 

 

こんにちは😄

 

今日の題材はTaylor SwiftのRedという歌の冒頭の歌詞です。 

 

 

“Loving him is like driving a new Maserati down a dead-end street.” 

 

あまり難しい単語はないですが、はじめにいくつか解説をしておきます。 

 

 

like この単語は大きく 

①「好きです」の意味の動詞 

②「~に似た、~のような」の意味の前置詞 

の二通りありますが、この歌詞の場合は②です。 

 

Maserati イタリアの高級スポーツカーブランド「マセラティ」です🚗 

 

乗ったことがある人、いますか? 

 

残念ながら私は乗ったことないです💦

 

 

down 一般的に思い浮かぶのは形容詞・前置詞「下へ」「下って」だと思います。 

 

ただ、辞書をよ~く見ると、前置詞で「(道路などに)沿って」という意味も持っています。 

 

 

この歌詞ではdownのあとにstreetがあるので、この「沿って」の意味です。 

 

dead-end 「行き止まり」「袋小路」です。 

 

deadの動詞はdie (活用形はdied, died。三人称単数はdies。ing形が特殊でdying)、名詞はdeath、そして副詞はdeadlyです。 

 

 

いくつかdeadが使われるほかの慣用句を紹介しておきますね。 

 

dead-heat(大接戦、同着)、dead asleep(ぐっすり寝込んでいる)、deadline(締切り)、deadlock((力が拮抗しているための)行き詰り) 

 

drive a car down a dead-end street は、字句通り訳すと「行き止まりの道に沿って車を運転する」ですが、意味を考えると「車を運転しているけど行き止まりで行き詰る」というような感じでしょうか⚠️

 

特にスピードの出るスポーツカー・マセラティなので、「あっという間に行き詰る」んでしょうね☺️

 

 

再び “Loving him is like driving a new Maserati down a dead-end street.” に戻ります。 

 

この文の構文はS+V+Cです。 

 

文法解釈に不要な単語を除くと “Loving him is driving a new Maserati.” になります。 

 

S:loving him =彼を愛すること 動詞loveにingが付いて動名詞になっています。 

 

V:is 

 

C:driving a new Maserati 動詞driveにingが付いてこれも動名詞になっています。 

 

 

「運転すること」の意味です。 

 

 

この箇所には「a new Maserati」という目的語が付いているのでV+Oの形ですね。 

 

補語の部分は全体で「マセラティの新車を運転すること」となります。 

 

短くした文の全体訳は:「彼を愛することはマセラティの新車を運転すること」となります。 

 

 

省略したlikeとdown a dead-end streetを戻して全体を訳すと: 

 

彼を愛することは、マセラティの新車で突っ走っていたけれどすぐに行き詰ってしまうようなこと 

 

というような意味になります。 

 

 

この歌は失恋の歌です🥲

 

にもかかわらず、とても疾走感のある歌です。 

 

そして、「彼」にまつわるさまざまな感情をいろいろな色で表現しているところがとても印象的です。 

 

Taylor Swift自身の失恋を基にした創作ですが、こんなにエネルギッシュな形に昇華できるのは凡人の理解をはるかに超えています✨

 

 

 

<動名詞> 

 

さて、さきほど、さらっとlovingとdrivingが動名詞だと書きました。 

 

今さら感もありますが、ここで動名詞について簡単に説明します。 

 

 

「動詞にingを付け加えると、名詞として使える!」くらいに覚えてください🌟 

 

日本語でも動詞に「こと」を付け加えると、文法的に名詞として使えますよね。 

 

例えば、「小説を書く」を名詞にしようとすると、「小説の執筆」という手もありますが、執筆という単語を知らなくても「こと」をつけて「小説を書くこと」とすれば文法上は名詞になります。 

 

これと同じイメージです。 

(なお、動詞にingが付く場合は、中学1年で習う現在分詞や、英検準2級で出てくる分詞構文があります。) 

 

 

一つわかりやすい例文を書きます✏️

 

Speaking French is difficult. 

 

 

「フランス語を話すことは難しい」SVCの構文です。 

 

S: Speaking French 

V: is 

C: difficult 

 

Speakingは文の主語なので文法上は名詞になります。 

 

 

一方で、speak French(フランス語(目的語)を話す)という形を考えると、動詞的でもあります。 

 

このように、名詞と動詞の働きを兼ね備えているのが動名詞です✏️

 

実は、Taylor Swiftの “Red” は動名詞が「これでもか!」というくらい使われている歌なんです。 

 

どれだけあるのか、lovingとdriving以外のものを全部書き出してみます(笑) 

 

原形から動名詞になる時に、eが抜け落ちたり、tが重なったりしているところは、注意してくださいね🆘

 

 

 

 

 

<主語で使われている動名詞>

 

( )内は、動名詞になっている動詞の原形です。

 

losing him (lose) 彼を失うこと 

 

missing him (miss) 彼がいなくて寂しく思うこと 

※missは少し訳しにくい単語です。 

 

ケアレス・ミスのような意味で使われる「当てそこなう」や、「(機会を)逃す」「見落とす・聞き落とす」というのが基本の意味ですが、そこから派生して「懐かしがる」や「(人がいなくて)寂しく思う」「恋しがる」という意味も持っています。 

 

私のアメリカ留学中、渡米から半年ほどたった12月にローカルのラジオ番組でインタビューを受けたのですが、その時に “Do you miss your family in Japan in this holiday season?” と聞かれて、よくわからず聞き返したところ、 “Do you want to see your family?” と言い換えて質問された、というようなことを思い出しました。 

 

 

forgetting him (forget) 彼を忘れること 

 

touching him (touch) 彼に触ること 

 

memorizing him (memorize) 彼を記憶すること 

 

fighting with him (fight with) 彼と喧嘩すること 

 

regretting him (regret) 彼を懐かしがること 

※regretとして普通に思い浮かぶのは「残念に思う」「後悔する」だと思いますが、転じて、missと同じように「(失ったものを)懐かしがる」の意味があります

 

remembering him (remember) 彼を覚えていること 

※少し上にmemorizeがありました。memorizeとremember、どちらも記憶に関する動詞です。 

 

to memorize: 記憶する、暗記する(将来的にちゃんと覚えているように、意識的に記憶に残そうとすること) 

 

to remember: 思い出す、覚えている(既に記憶されているものを引っ張り出すこと) 

 

 

 

※memorize と remember を使った例文 

 

I need to memorize the periodic table for my chemistry exam. 

(化学のテストに向けて元素表を暗記する必要がある。) 

 

She memorized all her lines for the play. 

(その芝居の全てのセリフを覚えた。) 

 

I remember meeting her at the party last week. 

(先週のパーティで彼女にあったのを覚えている。) 

 

Do you remember the answer to this question? 

(その質問の回答を覚えている?) 

 

moving on from him (move on from) 彼から離れて進んでいくこと 

※move onには「どんどん進む」「離れる」の意味があります。 

 

 

 

 

<補語として用いられている動名詞> 

 

補語で使われている方は引用箇所を長めにとっています📖

 

歌詞のニュアンスとは少しだけ変わってしまうところもありますが、文法的に分かりやすく訳してみました。 

 

また、trying to change で「変えようとすること」なので、動名詞の分としては、「変えようとすること」と、少し不自然な下線を引いているので、気を付けて読んでみてください🆘

(下線を引いていない「変え」は change が該当) 

 

trying to change your mind (try) 気持ちを変えようとすること 

 

trying to know somebody you never met (try) 会ったことがない人を知ろうとすること 

 

realizing all you ever wanted was right there in front of you (realize) 欲しかったものが全て目の前にあったんだとわかること 

 

knowing all the words to your old favorite song (know) 昔のお気に入りの歌の歌詞を知っていること 

 

trying to solve a crossword (try) クロスワードパズルを解こうとすること 

 

realizing there’s no right answer (realize) 正解がどこにもないとわかること 

 

wishing you never found out that love could be that strong (wish) 恋がこんなに強烈になるなんて知らない方が良かったと思うこと 

 

 

重複もありましたが、「これでもか!」という感じで動名詞が並びましたね(笑) 

 

 

 

では、動名詞を使って英作文してみましょう! 🔥

 

解答例は文末です。 

 

① 百聞は一見に如かず

(見ることは信じること) 

 

② 彼と仲直りすることは簡単ではない。

(仲直りする=get back together) 

 

③ 私の趣味はカラオケボックスで歌うことです。 

 

④ 朝食後にコーヒーを飲むことが父の日曜朝の決まりごとです。

(飲む=sipを使ってみましょう。決まりごと=routine) 

 

 

 

<終わりに> 

 

今日は、Redを題材に動名詞特集を組んでみました。 

 

終わりにRedの歌詞についてもう少し触れておきますね🗣️

 

一つ目は、この歌の中でたくさんing形が使われている中で、特に光っている単語が、実は動名詞ではなく現在分詞だということです。 

 

「燃えるような赤」 burning red です🔥

 

burningはredを修飾する形容詞として用いられています。 

 

現在分詞の解説は今回省略しますが、これは動名詞ではない、とだけ書いておきますね。 

 

もう一つは 時制 です⏰

 

冒頭紹介した歌詞とその次の節では is という現在形が使われています。 

 

ところが、直ぐ後に続く三節は was になり、その後、comes、is、see と現在形に戻ります。 

 

 

そして、最後の歌詞は 

 

His love was like driving a new Maserati down a dead-end street. 

 

です。 

 

 

冒頭とほぼ同文なのですが、be動詞が was に変わっているんですね。 

 

過去を思い出している今の自分、彼の思い出という過去の出来事を現在形と過去形を使い分けています。 

 

 

そして最後は 「彼とのことは全て過ぎ去った過去」 として was で締めくくっています。 

 

とても繊細な使い方です。 

 

You can’t resist listening to “Red” on Spotify or YouTube with the lyrics on, can you? 

 

 

 

<英作文問題の解答例> 

 

① Seeing is believing. 

② Getting back together with him is not easy. 

③ My hobby is singing songs in a karaoke room. 

④ Sipping coffee after breakfast is my father’s routine on Sundays. 

 

 

 

 

Have a great day 🌟

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