逸話
今日の逸話は、日本人のメンタリティも一因となって生じてしまったものです😊
もちろん、このジャーナルのキーワードであるASKの用法にも問題があったのですが。
私はAFS留学生としてニューヨーク州の片田舎で1年間ホームステイしていました📖
私が滞在した地域はAFS活動にとても熱心で毎年複数の留学生を受け入れており、私の滞在年には私を含めて4人のAFS生が同じ学校に通っていました🎓
参考までに他の3人は、チリ、ノルウェイ、ホンジュラスからの留学生でした。
滞在の終盤のビッグ・イベント、6月には卒業式がありました✨
卒業式の少し前、校長先生から呼ばれました。
話しの全体的な流れと私が何を言ったかしか覚えていないのですが、だいたい次のような会話が行われました:
校長「卒業式では、君も含めて留学生からのスピーチをしてもらいたい。」
私「Why don’t you ask the others.」
校長(しばしの沈黙の後)「そうすると、席次のこととかいろいろと考えないといけないな。最前列に座るのはスピーチをする人だけなので、君だけを離れた席に座らせることになる。」
私は、「自分が目立つのは嫌だ。スピーチをするならば他のAFS生も一緒でないといけない。だから、他の留学生の意向も尋ねてほしい」という意図でaskを使ったのでした🎤
しかし、上のやり取りを読んだみなさんは次のように汲み取ったと思います。
「他の生徒に依頼して」
そう、ゆっくり考えるとそのとりなんですよね。
一般にアメリカ人はチャンスがあるなら他の人がどうであろうとそれを掴みに行きます。
日本人は自分だけが突出するのはとにかく嫌なので、他の人がどうするか非常に気にします🤔
1年間アメリカにいて、だいぶ変わっていたはずではあるのですが、心の奥底に染みついていた日本人的発想が顔を出して、さきほどの発言に結び付き、さらに、askの意図をちゃんと伝えられなかったために誤解が生じてしまった、そんなエピソードでした。
その直後だったのか、或いは翌日だったのかは覚えていないのですが、校長先生にはちゃんと説明して、私もスピーチすることとなり、卒業式では最前列にちゃんと座りました。
ASK
askを辞書で引くと、主に次のような意味が書かれています📚
①(を)問う、質問する、尋ねる、(人にものを)聞く
②求める、要求する
③(に)願う、頼む(for)
今さら解説の必要もないかもしれませんが、さきほどの逸話で、私は①の意味で発言していたのに、校長先生は③の意味で捉えていました。
いずれも「自分はこれを持っていない。だから持っている人を頼る」というニュアンスの根っこは同じですね。
ただ、それでも先ほどのような誤解は生じてしまいます。
だいたいは文脈で判断がつきますが、前置詞で意図を明確化することもできます。
askを用いた例文です。参考訳は文末に付けています。:
①の用例
That gentleman over there seems to be a local. Let’s ask him the way.
②の用例
He asked for a raise, but his boss handed him a ladder instead。
③の用例
I didn’t want to cook, so I asked my dog if he could order pizza—he just stared at me。
I asked his help, but he did not do anything. He disappointed me.
=I asked him for help
She decided to ask her parents for permission to study abroad。
ask+前置詞
また、ask+前置詞の組合せ(句動詞)には次のようなものがあります:
ask after ~の安否を尋ねる、を見舞う
ask for it 自ら災難を招く、自業自得である
※直訳「あなたがそれを求めた」から「あなたが望んだことでしょ」となり、「自業自得だよ」の一言になります。
こんなやりとりがあり得ます:
上司: Are you sure you want to take on both projects at the same time? They’re both very demanding.
部下: Yes, I’m confident I can handle it。
(一週間後、部下は仕事が滞り、悲鳴)
上司: I hate to say it, but you asked for it. Let’s figure out how to manage this better。
ask (a person) in (人を)招き入れる
ask too much ムリなことを頼む
if I may ask 失礼なことをお聞きするようですが
※直訳「もしも私がお尋ねしてもよろしければ」。相手に尋ねにくいことを聞かなければならない場合は勿論ですが、次のように一般的な場面でも使えます。
Aさん: You seem really happy today!
Bさん: I got some great news this morning。
Aさん: Oh, that’s wonderful! What kind of news, if I may ask?
Bさん: I got the job I interviewed for last week!
今日は、askのいろいろな用法をお伝えしました📖
私の失敗を参考にして、同じ轍を踏まないようにしてくださいね!☺️
おまけ
アメリカでは卒業式のことをcommencementと言います🎓
動詞commenceは「始める、開始する」の意味であり、その名詞形であるcommencementの元来の意味は「開始」です。
卒業生がそれぞれ新たな進路に進んでいくための「開始の日」と捉えているんです。
日本だと「卒業=終わり」が前面に出ているのと対照的ですね。
卒業生はガウンと角帽を身にまとい、一人ひとり校長先生から卒業証書を受け取ります。
日本のような最敬礼はなく、握手するような形ですね🤝
角帽にはtasselと呼ばれる房が付いています。
卒業の前後(式の最中のどこかのタイミング)で、房の位置を右から左(逆だったかもしれません。忘れました。)に動かしていました。
そうそう、スピーチの内容です。
私は受けを狙うことしか考えなかったので、1年間のアメリカ生活・学校生活を振り返って、こんなこと・あんなことがあった、という例示をして、”Next time I come here, I would like to ski down the Whiteface Mountain without falling down.” と言ったことだけ覚えています⛷️
(Whiteface Mountainとは、Lake Placidオリンピックの滑降競技が行われたスキー場)
それよりも生徒会長のスピーチが格好良すぎでした。
”Watch out, folks, here goes the class of 1982.”
(folksがworldだったかもしれません。「注意しとけよ!1982年卒業生が行くぞ!」みたいな訳になります。)
日本の格式ばったものからは想像できない内容ですよね☺️
以下は、このジャーナルで和訳を付けていなかった箇所の参考訳です。
askを使った文例の箇所
・あそこにいる人は地元の人みたいだ。彼に道を尋ねてみよう。
・彼は賃上げを要求した。でも彼の上司は代わりにハシゴを手渡した。
(raiseには賃上げの意味もありますが、一般的に何かを「上げる」の意味を持ちます。(”Raise your hand”で「手を挙げる」)。
上に上げる(のぼる)ものとしてハシゴを渡したんですね。
・料理をする気に全くなれなかったんだ。で、飼い犬にピザの注文を頼んだけど—じっと俺のことをじろじろ見てただけだった。
・彼に助けを求めたんだけど、何もしてくれなかったんだ。彼にはがっかり。
・彼女は海外留学の許可を親に頼む決心をした。
ask for itの会話の箇所
上司:両方のプロジェクト、どっちもやれる?どちらも結構な仕事量だよ。
部下:大丈夫ですよ。やる自信があります。
(一週間後、部下は仕事が滞り、悲鳴)
上司:あんまり言いたくはないんだけどね、やると言ったのは君なんだよ(事業自得だよ)。さて、どう改善していくか、一緒に考えてみようか。
if I may askの会話の箇所
Aさん: 今日はなんだかとても幸せそうね
Bさん: うん。今朝、いい報せが舞い込んできたんだ
Aさん: まあ、すごいわね!もし良かったら、どんな知らせだったか教えてくれる?
Bさん: 先週受けた面接の仕事が決まったんだ!💼
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