◯ 自動詞と他動詞を意識する

 

自然な英文を書くために重要なこと、それは自動詞と他動詞を意識することです。

目的語をとらない動詞を自動詞、とる動詞を他動詞というのは、皆さん既にご存じですね。

辞書を見ても分かるよ うに、多くの動詞は自動詞にも他動詞にも用いられます。

 

例えば、動詞「grow」について考えてみ ましょう。

自動詞の場合は「Oranges grow in warm countries. :オレンジは温暖な国で育つ。」の ように使われ、

他動詞の場合は「Florists grow flowers in greenhouses. :花の栽培者は温室で 花を育てる。」のように使われます。

 

それではここで問題です。

「テーブルの上にりんごが 1 つあります。2 つに分けてください。」

「There is an apple on the table. Divide into two.」

こちらの英訳はどこが間違っているか分かりますか??

自動詞と他動詞の使い方を意識して考えてみてください。

 

正解は

「Divide」の後ろに「it」 や「the apple」などの目的語がないことですね。

このように、元の日本語の文に「それ」や「りんご」 などの目的語が書かれていないと、

プロの翻訳家ですら、英訳の際に目的語を誤って省略してしまうことがあります。

これは明らかな文法エラーに該当しますし、ネイティブから見たときになんとなく 不自然な印象になります。

 

また、「approach、contact、discuss」など、自動詞と誤りやすい他動詞は教科書でも習いますよね。

(それぞれ、approach to、contact to、discuss about などと前置詞を付けるのは誤りです)

逆に、他動詞と誤りやすい自動詞はどうでしょうか?

例えば、「flow」は「流れる」という意味の自動詞 であり、

「~を流す」の意味の他動詞では使えませんが、誤用が散見されます。

正しくは、「The river flows into the sea.=その川は海に流れる。」のように自動詞として扱います。

 

 

では次の問題です!

「血液を 心臓の方に流す弁」を「flow」を使って英訳してみてください。

「A valve that flows the blood towards the heart」と訳した人はいませんか?

ここでは、「blood」が動詞「flow」の目的語として使われていることになるため、文法的に誤りです。

この場合は、「A valve that makes the blood flow towards the heart」など使役動詞を使って訳すと良いでしょう

(「let」でも大丈夫です)。

 

 

このように、自動詞と他動詞を意識することで、英作文の質は上がります。

英語が得意な人でも、 自動詞と他動詞の混同は珍しくありません。

英語を母国語としない人は、特殊な使い方をする動詞一つひとつを覚えていくしかありませんね。

文の根幹をなす動詞を丁寧に扱い、自然な文章を 心掛けましょう。

 

 

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