◯通訳者に求められる資質(英語プラスαの強みを身につける方法)
先日のジャーナルでは翻訳者の仕事内容と将来性についてお話しましたね。
今日は通訳者について取り上げたいと思います。
皆さんは「通訳」と聞くとどのような仕事を想像しますか?
まず、文書を扱う翻訳家とは異なり、人同士の発言をその場で訳すのが通訳者の特徴です。
特定の人物や会社の専属通訳者でない限りは、
毎日違う場所に行き、違うお客様に接するようなイメージです。
外出して人と会うのが苦にならない人が向いているかもしれませんね。
そして、通訳の手法は大きく 3 種類あります。
同時通訳、逐次通訳、ウィスパリングです。
1 つ目の同時通訳は、スピーカーの発言を聞きながら間を置かずに同時に訳していきます。
聞くことと話すことを同時に行うので同時通訳と呼ばれており、相当な集中力を要します。
2 つ目の逐次通訳は、 スピーカーのある程度まとまった長さの発言を、
通訳者があとからまとめて訳します。
3 つ目のウィスパリングは、皆さんもテレビなどでよく目にするのではないでしょうか?
通訳者が人の傍について耳元で囁くように通訳を行うのでこのように呼ばれています。
また、通訳の分野は、国際会議での橋渡し役となる政治関連、
一般企業の商談やミーティングに立ち会う経済・ビジネス関連、
来日した海外アーティストの耳元で言葉を囁くエンタメ・芸能関連と様々で、
分野により必要とされるスキルも微妙に異なります。
ここまでの説明で、通訳の仕事内容を少し想像できましたか?
一口に通訳と言っても、その手法も分野も様々なのですね。
では、これからの時代はどのような通訳者が求められるのでしょうか?
まずは、高レベルで高品質な通訳を提供できる人材が挙げられます。
そしてその手法としては、 やはり同時通訳ができる人が重宝されるでしょう。
同時通訳は難易度が最も高く、
トレーニングを積まなければできるようにはなりませんが、
難しいからこそ価値があり、身に着けることができれば仕事の範囲もかなり広がると思います。
実際に、ニュースの同時通訳や国際的なシンポジウムでの
会議通訳ができる通訳者はトップレベルだとされています。
ただ、通訳者であれば英語ができるのは当たり前で、
その中で生き残っていくためには
通訳能力に加えてプラスαの要素がもちろん必要になってきます。
強みは人により異なりますが、通訳という仕事の特徴を鑑みると、
コミュニケーションに長けていることがまず重要です。
では、コミュニケーション能力の高い通訳者とは具体的にどのような人でしょうか?
通訳は人と人の間に立ち言葉の懸け橋になるため、
現場での対人能力や判断力を発揮できることが理想的です。
特に、企業の商談通訳においては、気配りができる、ビジネスマナーに精通している、
更にはその会社の社員のように振る舞うことができる通訳者だと、
安心して任せることができますよね。
コミュニケーションが円滑に進むと、場が和み、商談もまとまりやすくなります。
また、英語プラスαの要素を更に強化するとすれば、
それは英語以外の得意分野を持つことだと思います。
得意分野の定め方については、
英語を勉強している皆さんも気になっているところではないでしょうか?
ここで、英語力とプラスαの能力を使った働き方の例を見ながら
具体的に進路を想像してみましょう。
1. 大学の理系学部に進学し、英語力は英会話学校などに通いながら研鑽していく。
卒業後は、メーカーに就職してエンジニアになる。
英語を話せるエンジニアは会社内にはなかなかいないため、
英語力で周りと差を付けながらエンジニア兼社内通訳者のような存在になっていく。
2. 大学の英語系の学部に進学し、4 年間しっかりと英語を勉強する。
卒業後は IT 関連の会社に就職する。
会社で働きながら専門のスクールに通って通訳の訓練を受け、
数年後に IT 分野を強みとした通訳者として独立する。
1 の場合は大学と会社で技術系の知識を蓄えることができますよね。
このルートはどちらかというと理数科目が得意で、技術職を志す人に向いていると言えるでしょう。
2 の人は文系の学部に進学しますが、
卒業後に就職した会社で IT 業界について勉強することができます。
英語系の学部を卒業していると英語に触れる時間が自ずと長くなるため、
独立までの時間もさほどかからないでしょう。
また、保険会社や自動車会社など全く別の分野の会社に転職し、
独立するまでに更に専門分野を増やしていくという選択肢もあります。
2 つの具体例を挙げましたが、これらはほんの一例にすぎず、
進学先や就職先以外でも得意分野を磨くチャンスはたくさんあると思います。
部活に打ち込んで得たチームワーク力やリーダーシップも強みになりますし、
休日に割いた読書や映画鑑賞など娯楽の時間も皆さんの糧となっていくでしょう。
成功のコツはどこに落ちているか分からないので、
面白いと思えるものや好奇心が掻き立てられるものはどんどん追及してください。
楽しいと思えるものは継続して取り組むことも苦にならないため、
他の人よりも詳しくなって皆さんの武器になっていくはずです。
通訳者に限らず、英語を生業とするには英語でのパフォーマンスが第一ですが、
継続して仕事を任せられる人たちには
英語以外にもどこか突出した魅力や実力があるものです。
今回は通訳の仕事と関連付けてプラスαの強みについて触れてみました。
少しでも皆さんの参考になれば嬉しいです。
Have a lovely day💖
✨瀬戸・志段味の英語と英語でプログラミング教室MIRAI Labo.✨