<はじめに>
こんにちは😊 Georgeです。
先日、アメリカ大統領選挙が行われトランプ氏が勝利したことはみなさんご存じだと思います🇺🇸
今日はその選挙期間中に行われた討論会(Presidential Debate)での発言を題材に使って仮定法の話をします📚
今日のジャーナルは少し難しいと思います。
理解できないところがあったら、Labo.の先生に遠慮なく聞くようにしてください👍
さて、最初に少し脱線します。
私自身が中学、高校と英語を勉強していた中で、一番理解しにくかったのがこの「仮定法」です。
「仮定法過去」といいながら「現在のこと」だったり、主語が「I」や「He」だったとしても、be動詞が「were」だったりすることにアレルギー反応が出て、脳が働きを止めてしまっていたようです😅
少なくとも高校生、大学生の時に英語圏の友人と話していて仮定法を使った記憶が残っていません。
ただ、一応、学習したことはちゃんと覚えていたんですね💡
社会人になってだいぶ経った時に、日本に駐在していたアメリカ人のカウンターパートナーに、時制を完ぺきに踏まえた仮定法の文章を話し言葉で伝えられたことがありました。
(何を伝えたのかは忘れてしまいましたが、相当意識して頭の中で仮定法の構文を確認してから喋ったことだけはよく覚えています)
その少し後に、その人から
“It is very nice to work with someone who speaks the same language.”
と言われたのです✨
その人とはそれ以前にも何度も英語でのやり取りをしていたのですが、このタイミングでこのようなcomplimentを言われたのは、たぶん仮定法のおかげだったんだろうと勝手に思っています😊
(ただ、本当に英語が完璧な人はこういうことは言われないので、私の英語はまだまだだ、という戒めでもあります💦)
<仮定法とは>
すっかり余談が長くなってしまいました。
仮定法をまだ習っていない人がいるかもしれないので、全体像を簡単に説明しておきます。
仮定法には主に仮定法過去と仮定法過去完了があります🗂️
1.仮定法過去(基本形)
「仮定法過去」という名称ですが、「現在のこと」です。
次のような構文になります:
If+主語+動詞過去形・・・, 主語+(would, should, couldなど)+動詞原形・・・.
前半がIf節、後半が主節で、「もし今、・・・だったら(If節)、これこれするのに(主節)」という意味を持ちます📜
そして、「実際には・・・ではないので、これこれができない」というニュアンスを持っています✋
なお、If節の動詞がbe動詞の場合には、主語の人称などに関係なく全て were になります✍️
繰り返しになりますが、「現在のこと」です。
例文は全部If節→主節の順番で書いていますが、もちろん順番が変わっても問題ありません。
(むしろ、主節が前の方が普通です)
例文: “If I had wings, I would fly to you.”
(もし私に翼があるならば、あなたの所へ飛んでいくのに。)
(実際には翼はないので、飛んでいけない、というニュアンス。≒ As I do not have wings, I cannot fly to you.)
“If I knew her address, I could write to her.”
(彼女の住所を知っていれば、手紙を書けるのだが。)
(住所を知らないので手紙を書けない、というニュアンス。≒ As I do not know her address, I cannot write to her.)
“If I were rich, I would buy a plane for my private use.”
(もし私が金持ちなら、自家用機を買うのだが。)
(実際には金持ちではないので、自家用機を買えない、というニュアンス。≒ I cannot buy an airplane because I am not rich.)
2.仮定法過去完了
過去の事実と反対のことを仮定する場合に使います⌛
仮定法過去から、If節も主節も時制が一つ古くなる、みたいに覚えるといいかもしれません。
構文は: If+主語+had+動詞過去分詞・・・, 主語+(would, should, couldなど)+have+動詞過去分詞・・・.
前半がIf節、後半が主節で、「過去のあの時に・・・だったら(If節)、これこれしていたのに(主節)」という意味を持ちます。
例文 :“If he had told me the truth, I would have forgiven him.”
(もし彼が本当のことを言っていたら、私は彼を許していただろうに。)
(実際には彼は本当のことを言わなかったので、彼を許さなかった、というニュアンス。≒ As he did not tell me the truth, I did not forgive him.)
“If it had not been raining, I should have gone out.”
(もし雨が降っていなかったら、外出しただろう。)
(実際には雨が降っていたので、外出しなかった。というニュアンス。≒ I did not go out because it was raining.”)
※文法書には「仮定法未来」や「If節を使わない仮定の形」なども書かれていますが、そこへの踏み込みはしないでおきます。
<Presidential Debateでの「仮定法」の使われ方の実例>
さて、ここからやっと本題です📢
アメリカ大統領選の民主党ハリス候補(現副大統領)と共和党トランプ候補(元大統領)とのDebateは9月10日、フィラデルフィアで行われました📅
ABC Newsのウェブサイトにほぼ全文の発言内容が掲載されています💻
[リンクはこちら:](https://abcnews.go.com/Politics/harris-trump-presidential-debate-transcript/story?id=113560542)
二人の候補はそれぞれ次のような発言をしていました。
【ハリス候補の発言】
“The United States Supreme Court recently ruled that the former president would essentially be immune from any misconduct if he were to enter the White House again.”
◆主な単語・フレーズ解説
– Supreme Court:最高裁判所🏛️
– be immune from ~:〔課税・攻撃などから〕免れて,〔…を〕受けるおそれがなくて。
immuneにはもともと「免疫の」という意味があり、名詞形 immunity(免疫)とともにコロナウィルスの報道などで頻繁に用いられていました🦠
– misconduct:違法行為、職権乱用⚖️
– be+to+動詞:予定・当然・義務・可能・運命などの意味合いを持ちます。この場合は、将来的なこと(予定に近い)を言っています。
– White House:ホワイトハウス(アメリカの大統領官邸)。
– to enter the White House again:直訳すると「ホワイトハウスに再び入る」ですが、ここでは「再選されて大統領職に就く」ことを比喩的に表現しています。
◆文の解説
少し長くて仮定法がわかりにくいので、不要なところを削除し、また、日本語の解説をわかりやすくするために、主節とIf節の順番を変えるなど、次のように変えてみました📝
“If the former president were to enter the White House again, he would be immune from any misconduct.”
「もし前大統領(トランプ氏)が再選されたら(If節)」「彼(トランプ氏)はいかなる不正行為(から生じる責任)を免れることができる。(主節)」というような意味になります。
この発言の背景は、7月1日に米最高裁が「大統領在任中の公務としての行動は免責される」という判断を示したことを受けています⚖️。
同氏は以前に大統領だった時に起こった議会乱入事件に関して起訴されていましたが、その刑事責任に関しての判断です📰
ハリス氏のこの仮定法を使った発言には、「トランプ氏が再選されないことの希望」や「その希望に反したようなことが起こったら、トランプ氏が何をしても裁判所ですら止められないだろう」というニュアンスが込められています。
ハリス氏の引き続く発言がそれをよく表しています。
“We know now the court won’t stop him. We know JD Vance is not going to stop him. It’s up to the American people to stop him.”
「裁判所が彼(の不正行為)を止められないことを私たちは知っている。(副大統領候補である)ヴァンス氏もトランプ氏を止めないことを私たちは知っている。 彼を止められるのはアメリカ国民にかかっている。」
【トランプ候補の発言】
一方で、トランプ候補は次のような発言をしていました。
一部省略してわかりやすくしています: “If I were president, Russia would have never gone into Ukraine and killed millions of people.”
◆フレーズの解説
– go into Ukraine and kill millions of people:
直訳すると「ウクライナに入り、何百万もの人を殺す」です。
ロシアによるウクライナ侵攻とその結果としての虐殺のことを表現しています⚔️
◆この文の解説
実はこの発言は、さきほど説明した文法上の時制の使い方と合っていません✋
ロシアがウクライナに侵攻したのは過去の話なので、主節は仮定法過去完了が使われています 。
(would have never gone and (would have) killed)
一方でIf節は仮定法過去(If I were)を使っています📜
(仮定法過去完了なら If I had been president が正しいものになります。)
そんなことも踏まえながら訳してみます。
「私が大統領なら、ロシアはウクライナに侵攻して大量虐殺を起こすことは決してなかったのに。」
(私が大統領ではないので、ロシアがウクライナに侵攻してしまった、というニュアンスです。)
意味を考えると、「今、自分は大統領ではない」というトランプ氏の考えを思った時、If I were president で全く違和感はないですね。
日本語でも会話をしていると時制が少し変になることは多々ありますよね。
それと同じような現象が起こった程度で捉えてみてください💡
<終わりに>
文法的にも話題的にも難しいジャーナルになってしまいましたが、あきらめずに最後まで読んでいただきありがとうございました😊
実は、Taylor Swiftの All too well(10minutes version) に、“You said if we had been closer in age, maybe it would’ve been fine, and that made me want to die” という仮定法を用いた歌詞があるのを知っていたので、この解説とともに仮定法の説明をしようかなとも思ったのですが、いつの間にか Harris vs. Trump を選んでしまっていました🗳️。
Taylor Swiftファンのみなさん、ごめんなさい🙏。
Have a great day 🌟
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